2011年4月8日

あれから10年

けんすけです。

震災から1ヶ月が過ぎようとした昨晩、悪夢を過らせる震災後最大の余震が昨晩あった。原発の不安も尽きないし、この先の生活の不安も募る。できることならば、地震が起きる前に時計の針を戻したいと誰もが思っている。でも過去を振り返っていても、未来は変わらない。それをみんなわかっている。日本というチームが一つになり復興を目指している。上を向きそれぞれの今できることを必死にがんばっている。



先日の日本代表チャリティーマッチでの、44歳になるカズの勇姿に日本中の人々の心が打たれた。八百長ではない本気の相手からゴールを奪いカズダンスを舞った。そこに復興の希望が見えた。



1998年、日本サッカーのキングとして君臨し、日本代表チームのエースとして史上初のW杯予選出場に導いたカズが、まさかの本大会代表メンバー落ちを喫した。その4年前には、このまま試合が終われば念願のW杯初出場というところまで辿り着きながら、試合終了残り17秒にゴールを奪われるドーハの悲劇があった。サッカーに人生の全てを注いで来た男が、夢を実現を目前にして一度ならず二度も砕かれたその絶望感は誰が想像できようか。それでもカズは下を向かなかった。あのゴールは”もっている”とか”偶然”とかではなく、自分を信じどんな絶望も乗り越え走り続けた必然のゴール。



1995年1月17日、阪神大震災があった。いつも見慣れた美しい神戸の景色が荒野になった。その神戸の街も不死鳥の如く蘇った。神戸の祖父母は奇跡的に命は助かったが家は半壊し、体育館での避難所生活から仮設住宅へ移り、そして市営住宅と転々とし続けた。東北で家を失われた方もそんな生活がこれから待っているのかもしれないと思うと、気安い言葉は言えないけど、それでも祖父母は支え合いながら幸せそうに生きていた。ゆっくりでも未来を変えようとしていた。



昨日たまたま新卒で入社した企業の本社の近くを通った。今年はじめて日本オフィスで新卒を採用したこともあり、あの頃を思い出したくなったのか、誘われるようにそこへいってみた。何年前だろうって考えたらちょうど10年前の今頃ここで入社式があったことに気づいた。



あの頃はいろんなことが大きくて難しそうに見えたけど、何でもできる気もしていた。今はあの頃よりもっと上手くできる気がする。やりたいことが多すぎて夢が両手からこぼれ落ちそうなときもあるけど、一人じゃないから。



振り向かず、急がず、立ち止まらず、そして未来を変えるんだ。





PS.

4月から元U23の生徒でもある新卒のめぐみと、同じく元生徒で5年前にインターンで迷わない地図v1.0を作ってくれたじゅんの二人を新入社員として迎えることになりました。It's time...新年の宣言通りU23新楽章の幕開けです。しばらくは東京オフィスでトレーニングを積み近い未来のU23を担うスタッフになってくれるでしょう。この先10年、あの時からU23の歴史が変わったと言われる日が来るはずです。